第7章

島宮奈々未は一瞬固まり、動かなかった。

「どうした?私に食べられるとでも思ってるのか?」丹羽光世は眉を軽く上げ、声音に少し茶化すような調子を混ぜた。

島宮奈々未はしばらく躊躇ったが、結局車に乗り込んだ。

車はゆっくりと走り出し、島宮奈々未は窓の外を流れていく夜景を眺めながら、複雑な思いに浸っていた。

「これからは、君の退勤を迎えに来る」と丹羽光世が突然言った。

島宮奈々未は素早く振り向き、丹羽光世を見つめた。その目には驚きと戸惑いが浮かんでいた。

「どうした?嫌か?」丹羽光世は島宮奈々未の反応を見て、口元を微かに上げた。

「私......」島宮奈々未はとっさに何と言えばいいのか...

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